社会医療法人愛仁会
千船病院

「管理者による適正な
勤務時間管理の実施」
「PNS導入による勤務時間内の
補完体制の整備」

設立 昭和 33 年
所在地 大阪市西淀川区
病床数 292 床(急性期)
入院基本料 7 対 1
職員数 全職員: 650 名 / 看護職:常勤 316 名
/ 看護助手:常勤 29 名
/ 看護助手:常勤 42 名

取組のきっかけ、
取組前の問題点

 職員の勤務環境改善のために、現行の対策以外に何が必要かと検討している際、日本看護協会のワークライフバランス(WLB)の取組に参加する機会を得た。WLBインデックス調査の結果、「必要に応じて有給休暇が取得できる」「業務が終了すれば気兼ねなく帰ることができる」「定時で終えることができる業務である」の 3 項目について十分にできていないことが課題としてあがった。そこで有給休暇の計画的取得と勤務時間の適正管理に取り組むことにした。

取組の体制・
中心人物

 看護部長をリーダーとして看護部は病棟科長 15 名、医療安全看護師、感染管理認定看護師、看護副部長の 18 名、事務部は事務部長、課長 2 名の体制を構築している。看護部は事務部と連携を図りながら、月 1 回の看護科長会議で進捗状況を確認している。院長へは随時進捗状況を報告し、アドバイスをもらっている。

概要

 管理者への労務管理教育を通して、管理者による適正な超過勤務管理の実施と、福井大学医学部付属病院で開発されたPNS(パートナーシップナーシングシステム)を導入した。

管理者による適正な勤務時間管理の実施

 勤務時間管理の適正化には、上司による適切かつ明確な指示が必要だと考え、科長を対象に労務管理の教育を実施すると同時に、従来の超過勤務表を超過勤務が指示しやすく、記入し易いものへと変更し工夫した。また、これまで曖昧だった超過勤務指示のルールを明確にして、超過勤務をする際は、業務内容を科長がきちんと確認・指示をする等、その適正化を図った。また、超過勤務指示のない職員に関しては、帰宅を促すことを実施した。
 さらに、年度初めに、職員の年間休暇スケジュールを作成し、勤務表の中で有給取得可能日の視覚化等を行うことで、有給休暇取得率の向上、長期休暇の取得率向上を目指した。
管理者による適正な勤務時間管理の実施

PNS導入による勤務時間内の補完体制の整備

 福井大学医学部付属病院で開発された PNS を自院の実態に合わせてアレンジした。平日日勤帯において、ベテラン職員と新人職員がペアを組み、二人の看護師が対等な立場で補完・協力し合って、毎日の看護ケアを実践している。さらに、同時に記録も取るという看護体制をとることで、業務における不安を解消し、業務を補完しあうだけでなく、作業効率向上による超過勤務時間の短縮にも繋げている。

実施後の成果や
見えてきた課題

 勤務時間管理の適正化に取組むことで、これまでは 60 %の人が勤務時間内に看護記録の記入を終えることが出来ていなかったが、それが 25 %まで減少した。1 ヶ月の一人当たり平均超過勤務時間も 11.2 時間から 3.84 時間に減少した。
 職員からも「帰る時間が予測できるので、習い事ができるようになった」「家族と過ごす時間ができた」等の満足を得ている。
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